注目されだしたから慌てて真剣に更正を考えるらしい

裁判員裁判が各地で一斉に始まりだして、胸が痛むとともに、
いろんな報道を見て、何を今更、と、思うことが多い。
そんなの、ずっと前からそうだったでしょう、というくらい、根本的なところが問題視されている。
裁判員裁判に限らない、とつくづく思う。
世間に実態が知られていない歯がゆさに、苛立ちを感じてしまう。
ようやく問題にされはじめたか、と思ったのは、私だけではないはず。



たとえば、更正について。

http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20091119ddlk08040119000c.htmlより転載
(強調は引用者)

シンポジウム:法曹三者、更生保護を議論
裁判員裁判で関心増」−−常陸太田 /茨城


 更生保護制度施行60周年を記念するシンポジウムが、常陸太田市中城町の市民交流センターで開かれた県更生保護大会に合わせて行われ、「裁判員制度時代の更生保護」をテーマに、水戸地裁の鈴嶋晋一判事▽水戸地検の上本哲治検事▽谷萩陽一弁護士の3人が議論した。


 保護司ら約900人を前に鈴嶋判事は、5月の裁判員制度開始後の変化ついて「(評議で)裁判員保護観察の実態などに関心を向けるのは自然ではないか」と指摘。上本検事も、市民の裁判員参加を通じ「矯正や保護の分野への要望も出てくる」と述べ、執行猶予判決を下すにあたって、更生保護制度への注文が増えるとの見通しを示した。


 犯罪白書によると、08年は保護観察を付ける判決が執行猶予判決全体の8・3%だったのに対し、裁判員裁判開始から10月9日までの5件の執行猶予判決のうち、すべてに保護観察が付いた。谷萩弁護士は「保護司の役割が大きくなっている」と述べた。【杣谷健太】


実態が知られたらまずい、というように読める。
そりゃ、私は実態を痛いほど知っているけれど。
保護観察なんて、判決受けた被告人は、無視しまくってるけど、
戦後65年近く、今までずっと放置してたくせに、と腹立たしい限り。


今まできちんとしてきたのであれば、注文は増えないと思う。
増えるのなら、今までの現状を反省する必要があるでしょう。
(実態を知っている私は、根本からひっくり返すほど変えていかないと駄目だ、
と前から思っていたけれど)


ともかく、変えていってください。
今まできちんとしてこなかったツケがまわってきて大変だろうけど、
刑事裁判の意味がない、ってくらい、
その後は知らん、という姿勢で、
無責任極まりない、勝手なことをしてきたのだから。
もっとずっと前から、真剣に、再犯や更正の可能性を考えるべきだったのだ。


注目されないと考えない、外圧がないと適当にやるのだな、とつくづく思う。
どういう人間が法曹になるのか。
どういう教育を受けて、どういう研修を受けて、法曹になるのか。
もっと、世間は、知ってほしい。
とても安心して暮らしてはいられない現状なのだから。


ちなみにこんな記事も見つけた。


http://mainichi.jp/select/jiken/news/20091121k0000m040093000c.htmlより転載

保護観察:元被告、観察所出頭せず 裁判員裁判で執行猶予


 横浜地裁で10月にあった裁判員裁判で、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の判決が確定した元被告の男性(21)が釈放後、所在不明になり、横浜保護観察所に出頭していないことが20日分かった。関係者によると、男性は保護観察所に現住所を知らせていないという。


 男性は勤務先の社員寮で2月、傘にライターで火を付け、柱などに燃え移らせたとして現住建造物等放火罪で起訴された。公判では柱まで燃える認識の有無が争点となった。地裁は10月8日、より法定刑の軽い建造物等以外放火罪を適用し、更生を期待して有罪判決(求刑・懲役4年)を言い渡した。


 横浜保護観察所によると、通常は保護観察付き判決の確定後、元被告は2〜3週間以内に保護観察所に出頭したうえ、担当保護司との定期的な面会なども義務づけられている。保護司への連絡を怠ると、執行猶予が取り消されることもあるという。【杉埜水脈、池田知広】


いやいや、こんなのよくある話だっただろうに。
なんで、初めてのような扱いをしているのか、さっぱりわかんない。
腹立たしい限りだ。