直接会って、対応できる機関がない現実


NHK 福祉ネットワークで、「政権交代 自殺対策への提言」を見た。



番組サイトから引用


<内容>

 今年に入り、月ごとの自殺者数は過去最多のペースで増え続けている。また完全失業率も過去最悪の数字となった。

 失業や就職の失敗、借金など経済苦、生活苦による自殺が相変わらず増えている。番組では経済的な要因からの自殺をどう防ぐかを具体的に考えていく。さらに新政権に移行する中、民主党内閣の自殺対策に今後、求められるものは何かも考える。




<出演者>

清水 康之さん(自殺対策支援センター・ライフリンク代表)


                    ※再放送は、9月17日(木) 13:20〜13:49


私はふだんテレビはあまり見ないので、本当に偶然だった。途中から見たのだけれど、印象に残ったことを書こうと思う。



ハローワーク自死対策の拠点にしていく動き>


メールや電話での相談も、臨床心理士産業カウンセラーなどで受け付けているところもある。
でも、そこに辿りつくには、自分の悩み、抱えていることを、言葉にして表現するエネルギーがいる。
それさえできないことも多い。


ハローワークでの調査結果では、職が見つからない就労困難への焦り、自信喪失、生活困窮など、自死を考えている、考えたという方の割合がとても多かった。
ハローワークを拠点にすれば、何に実際困っているのかを把握することができ、具体的なサポートにとりかかることができる。


生活苦、借金などでより追いつめられている等の原因があれば、解決策や対応窓口を紹介する。
自治体で行っている法律相談なども、ハローワークでも週数回でも、行えるようにする、等。
必要な場合は精神科等の受診を勧める、等もあった。


とても具体的だと思った。




<行政が自死を考えている人に気付くためのポイント>


保険料や税金等の支払いの未払いの裏にあるものを考える、等、いろんな方面から





自死を考えている人が訪ねる可能性のある行政窓口の対応の手引き>


一部紹介されていたけど、この手引き、とても具体的だった。
最初にこうした声かけをしましょう、等の話の聞き方。
状況を把握し、この場合はこう、この場合はこういう対応をしましょう、等。




<政治主導に>


それぞれの省庁の担当者が会議して、それぞれが進めるというやり方のお役所仕事には限界がある。効率も悪く、カバーしきれない。
本腰を入れて取り組むには、ネットワークの構築が必要で、もっと政治が主導する必要がある、等。





などなど、出演者の方のお話がとても説得力があった。
(本当はもっともっと濃い内容だったのだけれど、あやふやなのをそのまま書くのに抵抗があり、メモとっておけばよかったと後悔)



出演者の方の仰ることのひとつひとつに、共感できたし考えさせられた。


私も、常々、性暴力被害への直接的な支援窓口がないことに、嘆いていたから。
そして、自分の経験からも、ネットだと匿名性は守られるけれど、言葉にするには、かなりのエネルギーがいることが痛いほどわかるから。ひとり孤独に自分の体験に向き合うのは、つらい。文字だけで伝えるというのは難しい。


たとえば、要望を出したくても、難しいのではないか。つらいことを思い出さなくてはいけないからだ。
ひどいPTSDや鬱状態だと、考えをまとめるのも難しい。集中するということ自体が難しい。
そして、あまりに多岐にわたる問題だから、簡単にまとめられないと思う(私もそうだ)。
このあたり、悩み中。



例えば安心できる雰囲気の中で、会って困っていることを打ち明けられる、相談できる環境をつくる、というのは、とても難しい。早くクライシスセンターを全国につくってほしい。
専門機関がないから、必要な情報がどこにあるのかさえ分からない状態だ。
長期的にケアすることがどうしても必要なのだけれど。
たとえば自助グループも、地方だとやはり難しい。


性暴力特有の問題。
性暴力は心身にあたえるダメージが大きすぎるのに、適切なケアやサポートを受けることが難しい現実。さらにひとりで抱えこんで悩み苦しんでいく現実。
知られたくない思い。安心して相談できる場所がどこにでもない、少なすぎる現実。
言葉にすることさえ難しい苦しみを、どう軽減していくか。


こういったことをどうクリアしていくかが課題だ。