性犯罪を容認する発言を許す産経新聞へ抗議しました
11/25 水曜日、産経新聞の「オピニオン」という記事で、曽野綾子氏がとんでもないことを発言しています。
文章全体が、あまりに非論理的で、つっこみどころが満載なのですが、
曽野綾子氏、ノック事件から10年、全く認識が変わっていないようです。
ノック事件のときは、被害者の女性が
「すぐにその場で」「キャーッと大声で」「叫ばなかった」ことを平然と非難し中傷していました。
共感能力もなく、そういった経験のない女性にはわからないのでしょう。
実際には声も出ないほど驚愕し恐怖を感じるということが。
この記事、読めば読むほど、非論理的です。
一瞬、認知症の前兆なのだろうかと本気で考えたくらいです。
問題の記事はこちら→http://livedoor.blogimg.jp/teranews/imgs/f/2/f20c16eb.jpg
産経新聞 オピニオン 「用心するということ」
曽野綾子の透明な歳月の光
外出時間やスカート丈・・・結果に責任
警察が、夜11時以降の公園の立ち入りを禁止するという条例を作ろうとしたら、それは「憲法に違反する」と若者からの突き上げがあった、という。
警察は「憲法に違反しません」と言う。警察がこういう防止策を講じようとしたのは、もちろん最近残酷な犯罪が起きているからだろう。もちろん決定的に悪いのは犯人だが、被害者の遺族の気持ちを考慮せずに言えば、最近の日本人は、用心するということをしない。大学生がアルバイト先から、暗くて自分でも気味が悪いと思うような夜道を歩いて帰る、ということが本来は常識外なのである。
アラブの保守的な国なら、娘たちは、毎朝父か兄かに送り迎えをされて登校する。1人で外出したり、外国へ旅行したりすることは、考えられない。欧米の国でも夜道を1人で女性が歩いたりすることは非常識な行動だと、なぜ日本では教えないのだろう。
今でも忘れられないのは、いわゆる「基地の町」の駐車場で、夜半過ぎに1人で歩いていた女性が米兵に襲われて殺された事件である。
もちろん襲った米兵が悪いのだが、午前1時過ぎに基地の近くを1人で出歩く女性は、性的商売をしていると思われても仕方がない。それは日本以外のほとんどどこの国でも示される反応だ。
基本的な行動の自由と、自衛の手段を講ずることとは、全く別の次元である。というか、行動の自由を口にするなら、十分すぎるほどの用心や、世界的常識を学ぶことができなくてはならない。
ヨーロッパ在住の日本人が驚いているのは、日本の女子校が、どうして制服にあんな短いスカート丈を許すのか、ということである。あれでは男たちに手を出してください、といわんばかりですね、と彼らは言う。
先日パリのデパートをのぞいたら、果たして最新ファッションが並んでいた。しかし町行く人たちは、保守的で質素な服装ばかりで、私はすこしがっかりしたのだが、
「午前中から最新ファッションの人なんかで歩きません。そういう人は夜遅くです」
「ほんとうに最新流行を着こなすお金持ち階級は、車に乗って移動するんです」
という2つの返事で納得させられたのである。
太ももの線丸出しの服を着て性犯罪に遭ったと言うのは、女性の側にも責任がある、と言うべきだろう。なぜならその服装は、結果を期待しているからだ。性犯罪は、男性の暴力によるものが断然多いが、「男女同責任だ」と言えるケースがあると認めるのも、ほんとうの男女同権だ。
親の庇護の下、学校の責任下にある間は、両者とも外出時間やスカートの長さに口を出し、常識を教えて当然だ。それが嫌なら、経済的に自立した上で、どんな結果も覚悟のうえでしなさい、と私なら言いそうである。
突っ込みどころは沢山ありますが、
曽野綾子氏の主張は、女性の社会生活を限りなく制限しろと言っているようなものです。
父や兄に迎えに来てもらうことを推奨していますが、一人暮らしの場合はどうなるのか。
父や兄がいない家庭は?とはてしなく疑問がわきます。
また、“太ももの線丸出しの服”に対して異常な憎悪を感じますが、
どういう服装をしようと、襲ってくれなんて誰も頼んでいないのです。
レイプファンタジーを持っている女性は一部ですし、そういう女性も、実際に襲われることは望んでいないのです。
どういう人であっても、犯罪に遭っていい人なんていません。
暴力でしかないのです。
性暴力を、あって当たり前とするのは、間接的に容認していることになります。
加害行為である暴力をなくすよう働きかけるべきです。
被害者は全く悪くありません。
悪いのは、加害者です。
何より、性犯罪は、性欲が原因ではありません。
支配したい、征服したいという歪んだ考えで、
性を使った暴力により被害女性に最大限の屈辱を味あわせ、優越感に浸るのが目的です。
性欲は手段にすぎません。
実際に、受刑中の性犯罪者を対象に行なった調査では、
「きれいだから」「挑発的だから」という理由ではなく、
「おとなしそうだから」「弱そうだから」「人に言わなさそうだから」が圧倒的です。
さらに、夜道の一人歩きの女性への見知らぬ男性による犯罪のみをレイプと捉えているようですが、
実際には、加害者は、7割から9割が、見知っている人によるものです。
それをどのようにして防げというのか。
あまりに無責任です。
また、子どもが被害に遭うのは、圧倒的に実父、継父が加害者の場合が多いのです。
次に兄弟、親戚、教師や近所の人、となります。「父や兄」が安全な人ではないのです。
家庭こそ危険な場所という認識を持つ必要があります。
(これはまた別エントリで書きます)
この記事を書いた曽野綾子氏、そしてそれを掲載した産経新聞は、
勉強不足、認識違いとしか言いようがありません。
早速、抗議しました。
http://sankei.jp/inquiry.html#Articlesによると
記事に対する要望感想等のメールは以下のアドレスです。
u-service@sankei.co.jp
抗議していただける方、ご協力をお願いいたします。
<11/30追記>
関心持ってくださりそうなところにトラックバック送ることにしました。
なぜなら事実を知ってほしいから。
でも抗議に協力しろというわけではないので、トラックバック受け取った方、ご安心を。
下記のブログにトラックバック送りました。
◆フランチェス子の日記 強姦するのが男の性なら去勢するのが自己責任でしょ
◆火星人blog 懐古主義との抱き合わせ販売は止めて欲しいですな
◆DDC blog 産経の「結果に責任を」記事
◆WebLab.ota 重み付けと自己責任
◆どろの日記 曽野綾子の目は節穴か
◆陽だまり、猫だまり。 とんでもない虚言をまき散らす、産経論壇上の曽野綾子
◆ 美しい壺日記 ◆ 曽野綾子「被災者は甘えるな」
■Ohnoblog 2■曾野綾子とミニスカート
■地を這う難破船■マッチポンプはどこまでも
■地下生活者の手遊び■男性ジェンダーと加害性
<12/2〜付記>※順次追加します
◆シートン俗物記◆男は夜道で刺されても当然
◆キリンが逆立ちしたピアス◆ミニスカ論争
◆Non-Fiction(Remix Version)◆慎ましくすれば被害に遭わない? 馬鹿言ってんじゃないよ
◆factory◆真面目な話
◆経済学101◆ミニスカートが悪いのか
◆bye bye blackbird@Hatena◆スカート丈。
◆12/3過ぎ去ろうとしない過去◆
「男はケモノ」が「女性の自衛」と結びついていること自体が差別
◆12/3みやきち日記◆
ミニスカートが作られた目的は、誘惑じゃなくて税金対策
◆隠フェミニスト記(仮)◆
【曽野綾子】ミニスカ論争〜被害者語り【まとめ】
◆はてな匿名ダイアリー◆
http://anond.hatelabo.jp/20091203211034#←曽野綾子のコラムのパロディ
<あわせて読みたい素敵な記事>
◆Gazing at the Celestial Blue ◆
危険な動物は管理が必要です
◆村野瀬玲奈の秘書課広報室◆
強姦についての俗論を分析し、「強姦予防法」試案を小声で提唱してみる。 (追記5まであり)
<当ブログ関連過去記事>
・何の“芽”を摘むのだ?
・防犯を呼びかけるのが警察の仕事なのだろうか