性虐待の加害者は身近な人

セクハラは、上下関係を利用して起きる。
加害者にとっての“オンナとしての魅力”が同じでも、彼らは自分より上の立場の相手には、セクハラをしない。


それと同じように、
性虐待も、上下関係を利用して起きる。


身近な大人。
家族はもちろん。指導者、つまり教師やなんらかの教える立場の講師・コーチ。近所の人。親戚。聖職者による性犯罪も、実は日本でもとても多い。
もちろんこども同士の性犯罪もある。
残念ながら身近な人物こそ危険だという認識を持つべきだ。



虐待家庭や、ひとり親家庭
なんらかの事情のある機能不全家庭。
性被害を受ける被害者には、そういう背景を持つ人がとても多い。


それは、そういう背景があると、加害者がとても近づきやすいからという側面もある。
口実として二人きりになることがとても容易だ。
何か問題があると当然悩みもある。
職業としては、ふだん関わらない人も関わることになる。カウンセラーや医者、弁護士、行政職員、施設職員など。キリがない。
そういう事情につけこみ、二人きりになる状況を容易につくりだすことができる。たとえば教師による個人面談など。
本気で心配しているように見えて、そして途中までは本気で心配していても。
―計画的なのが殆どだとは思うが。
最初からか途中からかの差はあっても。性の対象として見る大人が多すぎる。


特に、なんらかの暴力を受けて育ったこどもは、めまぐるしく変化する暴力加害者を知っている。
優しい時もある加害者を知っている。
だからこそ混乱する。
そして、自分の感情を否定されて育ってきたために、自分を大切に思えていない。
自己肯定感が低い。自分の感情を尊重されたことがほとんどない。
だからこそ、自分の感情を感じとることも、直感を信じることも、とてもむずかしい。
(これは大人でも同じで、そういったことができるようになるには、訓練が必要だ。)


そういう訓練が不十分なのに、身近な大人だからといって、職業だけで判断して頼るのを推奨するのは極めて危険だ。


たとえ優しい人に見えても。
優しい人だと思っていたのに、実は性虐待者だったということに陥ることが多い。
そして、加害者の巧妙な操作により、口止めされる。
自分は愛されているのだと思わされたり、特別な存在だと言い聞かされたりもする。
もしくは、自分には何か嫌なことをするけれど、多くの人に信頼され慕われているのを見ると、自分が間違っているのかという意識に捉われる。
それこそが加害者の狙いで、他の人の前ではいくらでも「ふつうの人」を装うことができるのだ。


愛情に飢え、愛されていることを欲していること、を利用されて近づかれることも多い。
愛されたいと思うのは悪いことではないのに、それさえも被害者のせいにされてしまう。
性の意味がわかっていないことを利用され、
されたことの意味がわかるころには、加害者はもうそこにはいない。



身近な大人だからといって、無条件に、教師や指導者の立場の人物を信じるのは無謀に等しい。
なんの審査もなく教師になっているのだ。(他の職業にも言えることだが)
彼らは、こどもに近づきやすいからという理由で、そういう職業に就いている。
真面目な人物とそうでない人物を見極めるのは難しい。たとえ人生経験の豊富な大人でも。
まさかあの人が。そう思われる人が性虐待をしている。
同じ人物が、何十年も。
訴えれば被害者が困ることを利用し、発覚しにくい状況を利用して。


教師による犯罪が多すぎるのは当たり前だ。


特に、こどもに対して性的な感情を持つことをタブーとさえせず、後押しする文化があり、その傾向は年々高まっている。



最近、教師による性犯罪があとを絶たないということで、東京都が、教員免許発行時に、犯罪歴について書面で提出することを義務付けることを検討しているということを知った。
今までしてこなかったこと自体がおかしい。発行するときだけでなく、毎年チェックをしてほしい。

もちろん、全都道府県で。
法曹も、医者も。全ての公務員も。それこそ、挙げていけばキリがないけれど・・・。そうすることで防げることも多いはずだ。


http://sankei.jp.msn.com/life/education/100104/edc1001040131000-n1.htmより転載


刑罰歴の審査を厳格化へ 教員免許発給で都教委


 東京都教育委員会が教員免許を発給する際、過去の刑罰歴の有無について本籍地の自治体が発行する公的な証明書の提出を求める検討に入ることが3日、分かった。昨年、執行猶予中の男性(25)が不正に教員免許を取得し、大田区の区立小学校で臨時教員として学級担任になっていた事案を問題視した。教員免許発給時には過去、禁固刑以上に罰せられたことがないとする宣誓書の提出が求められるが、真偽は申請者の自己申告のため、都教委は審査の厳格化を図りたい考え。都教委によれば、制度が導入されれば全国初。


 横浜市でも昨年4月、女子中学生の着替えを盗撮して逮捕された同市立中学の男性教員が、採用試験を受けた平成14年に別の性犯罪で執行猶予中だったことが判明。関係者によると、大田区の男性臨時教師も性犯罪で執行猶予中だった。


 教員免許は一般的に大学の教育学部などで教職課程を修めると都道府県教委から発給される。教員免許法では禁固刑以上(執行猶予中を含む)に処せられた者の取得を禁じているが、過去の刑罰歴は申請者の自己申告で判断され、「性善説による発給制度を改める以外に対策はない」と関係者は指摘する。


 都教委では現在、正教員採用候補者選考の合格者にのみ、本籍地の市区町村から刑罰歴を記載した証明書を提出させている。しかし、男性のように臨時教員や非常勤講師の経歴詐称は見破れず、今回の問題も男性が10月に正教員候補者選考に合格して露見した。


 臨時教員は、病欠や妊娠出産などで学校を休む教員の穴埋めのため短期採用されるケースが多いため、時間的制約から「採用時に煩雑な手続きを行うことは現実的でない」との声が大勢を占めているという。


 20年度の教員免許発給数は都内で4万1614人。都が発給した教員免許を“証明書”に塾講師や家庭教師をする者も多い。学校以外でも類似の問題が起きた場合、都教委の教員免許への信頼性が揺らぎかねないとの指摘もあり、幹部は「都が全国の先鞭(せんべん)を付けるべき」としている。


 高橋史朗・明星大教授は「団塊世代の退職に伴う穴埋めのため、臨時教員、非常勤講師を大量採用しないと学校が回らなくなっている。そのため臨時教員や非常勤講師の採用が野放しともいえる状況で、質の低下は否めず、今回の問題も起きた。教員免許の発給を含め、何らかの新しい対策が不可欠だ」と指摘している。


※このエントリは、教師による犯罪を主に念頭において書いたので、カバーしきれていない不十分な点があると思います。不快な思いをされた方には、余力がなく申し訳なく思います。