警察も検察も司法も、「正義の味方」じゃないという現状  2


8/17に行われた「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」主催のシンポジウム「性暴力被害者が訴えやすい裁判に 〜 裁判員制度と性暴力被害者の人権」では、
裁判員制度の件だけではなく、そもそも司法制度が男性中心主義だという点で問題が多いという根本的な問題も話し合われたそうです。


日本は性犯罪率が低いと本気で思っている人の多さに、呆れてものがいえなかったり、まるでカルト集団のような頑固な刷り込みを感じ、目眩を感じたりしますが。

そもそも法定義が全く違うわけで。話せば長く長くなってしまいますが、いくつか箇条書きにすると。



強姦罪については、


親告罪である


・男性から女性への、性器対性器の、と日本は定義していて、その他は強制わいせつの扱い。
(気分が悪くなったらごめんなさい、でもここが問題で・・・私もユウウツです)


・男性性被害が含まれていない


・基本的に、夫婦間のレイプ ( マリタル・レイプ )は罪とならない 

※数年別居しており、かつ夫と夫の友人が複数で犯行に及んだ事件のみが裁かれた。

※DV防止法ができてから保護命令が出ていて、かつ別居していたという実績があり、離婚する意思を明確にした上で長く警察に相談していたため逮捕された事例が一つあるが、加害男性側に同情したような判決文で軽い刑。
→保護命令が出ても、離婚の意思を明白にしていても、DV男は裁判離婚するまで(しても)離婚に同意しないことが多いため、法的に結婚しているだけで夫という扱いをされるのは理不尽。そもそも夫だからといって同意を得ずにそのようなことをしていいわけがない。


・その影響で、恋人間のレイプは受理されにくい

※DV防止法も法的に結婚していなければ対象外となるため、改正が求められています。デートDVもかなり深刻。




・さらにその影響で、顔見知りによる犯罪は、よほどの証拠と「抵抗の要件(後述)」がないかぎり、事件として受理さえされないことが通常。

※報道を見ているとこの傾向は明らか。
※相談機関には、圧倒的に顔見知りによる被害の相談の方が多い。


<参考>サバイバーからの手紙



・顔見知りでない犯行でも、同様に、よほどの証拠と「抵抗の要件」がないかぎり、難しい。

※「抵抗の要件」とは、簡単に言うと、死ぬほど抵抗したかということ。
 声を出しただけではダメ、叫ばないとダメ、長時間抵抗した形跡がないとダメ、凶器がないとダメ、体格差や力の差は無視etc
→死ね、と言っているようなものではないかと、ほんとうにほんとうに、腹が・・・立つ。


そもそも、性犯罪は、告訴取り消しを前提にしか取り扱っていない。つまりやる気がない
上述した「サバイバーからの手紙」にあるように、告訴取り下げを強要することさえある


<参考>
◆みみずくからの伝言◆「私の二次被害体験(追記あり)」 (8/29追記)



※他国では(欧米諸国だけでなく韓国・台湾にも)、24時間対応のレイプ・クライシス・センター(ワン・ストップ支援センター)があるが、日本はない。
そのため被害に遭ってもどこに行っていいかわからずケアも受けられない。証拠保全もできない。

※韓国のワン・ストップ支援センターの取組み:http://www.npa.go.jp/keidai/keidai.files/seihanzaiforum%20.pdf  (8/26追記)


近親姦に対する処罰がない


・13才未満ならば同意がなくても罪となるが、国際的に見て、この年齢は低すぎる。


・他国では、子どもどうしの性犯罪も罪になる。(2才以上離れているなど法定義は様々だけれど)



参考URL:Wikipedia 強姦罪 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B7%E5%A7%A6%E7%BD%AA
 ↑8/29追記 はあ?と思うところもありますがWikipediaを編集する余力がなく(やったことがない)・・・。得意な方ご協力いただけると嬉しいです。


・・・細かく説明するともっと長くなるけれど、とりあえず今日はここまで。(憤死しそうなので)




なにしろ、この強姦罪、明治時代にできて、そこから変わっていないのだから本当に最悪です。


女性は「夫や父のもの」という「動産」という考えでできていて、「夫や父のものが盗まれた」という刑法です。


強盗より罪が軽いなんて本当に最悪です。どれだけダメージを与えるのか、全く考慮されていません。


女性の性的自由権を認めていないのがますます最悪です。同意していないのは明白と認めつつ無罪になったりするのだから。
司法の定義する「強姦」は、ふつうの感覚の「レイプ」とかけ離れているのです。



※さらに言うと「姦」の意味は「よこしま」「みだら」「いつわる」「わるい」「心がねじけて正しくない」等。

※「姦」の成り立ちは、会意文字で、女が複数いることで、「女がひしめくさまから、みだら・よこしまの意味」という最悪な漢字。

※なので、「強かん」という表記が使われているのです。





司法制度は、法律も判例もおかしすぎて、もう本当に、、、最悪です。

びっくりするような判例がたくさんあります。
その判例を踏襲(フシュウじゃない)して、どんどんおかしな判例が再生産されている、21世紀とは思えない状況です。
日本が先進国じゃないなどと批判を集めるのは、ある意味仕方がないかと。

最近つくづく、どこが先進国?と思うことだらけです。






<参考文献>

事例で学ぶ 司法におけるジェンダー・バイアス事例で学ぶ 司法におけるジェンダー・バイアス
(2003/11/06)
第二東京弁護士会司法改革推進二弁本部ジェンダー部会司法におけるジェンダー問題諮問会議

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