性暴力被害の啓発と防止を考える講演とシンポジウム  「性暴力被害からのSTAND UP!〜性暴力をなくすために」(徳島県主催)


大薮順子さんの、性暴力をなくそうキャンペーン講演会と写真展
徳島県警が産婦人科医と連携するという取組みを最近ご紹介したので。


徳島県でのシンポジウムに大薮順子さんが講演されたのをご紹介。


http://www.topics.or.jp/localNews/news/2009/10/2009_125634853414.html
から転載(強調は引用者)

性暴力に負けないで 
徳島市内、被害防止訴えシンポジウム
2009/10/24 10:34


 性暴力被害の啓発と防止を考える講演とシンポジウム「性暴力被害からのSTAND UP!〜性暴力をなくすために」(徳島県主催)が23日、徳島市内のフレアとくしまであり、約120人が耳を傾けた。


 フォトジャーナリストで全米性暴力調査センター名誉理事の大藪(おおやぶ)順子(のぶこ)さんが講演。自らが10年前に受けた性的暴行のほか被害者を取材した経験を話し、「恥じ入るべきは加害者で被害者が自分を悪い、恥ずかしいと思う必要はない。被害に遭ったからといって人生が終わるのではなく、自分を取り戻して回復していける」と強調した。


 シンポジウムでは大藪さんをコメンテーターに県警本部の近藤稔ストーカー対策官、阿南共栄病院産婦人科の滝川稚也(まさや)部長、フェミニストカウンセラーの石田邦子さんが意見交換した。


 近藤対策官は、県内産婦人科医と連携した支援ネットワークづくりや不審者情報の携帯電話への提供などの取り組みを紹介。滝川部長は性感染症の検査や治療を受けるタイミングについて「医学的に正しい知識を持ち、慌てず適切に対応することが重要」と訴えた。


 石田さんは、被害者の怒りが子どもへの虐待など次の被害を生む可能性を指摘し、「被害者だけでなく次の世代のことも考え、関係者が連携して回復のシステムをつくる必要がある」と話した。


 大藪さんが約2年かけて被害者70人を取材・撮影したプロジェクト「性暴力サバイバー達の素顔」の写真展も、25日まで同所で開かれている。


大薮さんの言葉。
「恥じ入るべきは加害者で被害者が自分を悪い、恥ずかしいと思う必要はない。
 被害に遭ったからといって人生が終わるのではなく、自分を取り戻して回復していける」


全く持ってそのとおりである。
被害に遭ったからと言って、違う生き物になったわけじゃないんだからね。


なのに、世間はわかってないなぁと思うことだらけである。
ふう。。。
私は被害そのものによるダメージもきつかったけれど、それ以上に、
くっついてはなれない、差別の眼差しがきつかった。


今は嫌味くらいいえるけれど。とっさには無理かな。
昨日もダメージ食らって寝込んでいたのでした。
若い女性って残酷。女性の無理解の方が傷つく。
パンダじゃないっつーの。
今度会ったときにどう対応しようか考え中。



でも、恥ずかしくないと思うことと、身を守ることは違うと私は思う。
実は私は匿名で活動しているので、しかも最近活動し始めたので。
長年、実名で活動されている方々
(そういう方は実は数多くいらっしゃるけど、もちろん全員ではない)
の一部から嫌われちゃったりしている。ははは。
協力していけると思ったんだけどなあ。
もちろん私にも配慮が足りない点はあったと思うけど、ちょい辛い。
先輩なのは間違いないしそれを否定するつもりはないけど、
新米のくせに、と言われてもなあ。。。変なの。
「環状島=トラウマの地政学」通りのことがおこっている。はあ。


そりゃ実名で表に出れれば話は早いのだけれど、と思うこともある。
伝えたいけど伝える手段がないのにもどかしい思いをすることがある。
でも、家族も守らないといけないし、これ以上いろんな攻撃に遭いたくないのだ。



さて、徳島県はがんばっているようなのは間違いない。
女性に「気をつけろ」と言うだけで、加害者がのさばっている現状を許すどこぞの県警
とは大違いである。



でも、この記事にある「被害者の怒りが子どもへの虐待に向かう」ってのは違う。
むしろ、虐待された経験や、いじめられた経験があったりして、どこか自尊心が低いと、
加害者は目ざとく一瞬で見つけ出し、計画的に狙うので、
被害に遭いやすい傾向があるのだと思う。
性被害を受けた女性は過去に虐待されていた経験をもっていたりすることが実は多い。
また、DV被害の女性は、
過去に虐待されていたり、もしくは性被害にあったりしていることも多い。


どっちが原因とかではなく、
何らかの暴力に遭うと、あまりに傷ついていて、身を守るのが難しくなる。
加害者は、何人もいる女性の中から、一瞬でそういう女性を見抜き、計画的に犯行に及ぶ。
暴力ってのは、性被害だけじゃなくって、あらゆる暴力である。
DVやモラハラパワハラ、などなど。
だから性被害にも何度も遭ったりしてしまうこともあるけど、
それも決して被害者のせいではない。


この事実を認めるのは私はかなりきつかった。
自分が悪いと思っていたから。


でも。
ある方に、「加害者の問題」ときっぱり言われて、
それからそのことをじっくり考えるようになった。
それを何年も何年も考えて、
今ようやく、自分のせいじゃないと思えるようになった。


よく私は「優しそう」と言われる。
スカートの時は「女らしい」とも。あんまり嬉しくないのだけど。
気を強く見せるために、戦闘服としてフルメイクは必須である。
家にいる時はすっぴんだけど。
あと、うまく立ち回ることができない。計算高く動くことができない。


でも、だからといって、それにつけこむ加害者の行動を、
全て私のせいにされても困る。
私に何かつけこまれやすいところがあったとしても、
それに全ての人がつけこむのではなく、
むしろ長所としてとらえてくれることもある。


だから、本当に、加害者の問題なのだ。



ある人が教えてくれた例。


自転車に鍵をかけ忘れていて盗まれても、被害者が悪いとは言われない。
盗んだほうが悪いと言われる。


なのに、性犯罪は、被害者が悪いと言われる。
セクハラも。モラハラも。



なんなんだろう、この現実。



この記事も、書いた人も字数制限があるだろうから、
発言者の本当の意図はわからないけれど。

どうか、真にうけないでください。


環状島=トラウマの地政学環状島=トラウマの地政学
(2007/12/20)
宮地 尚子

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